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続・多賀山日記「後十年、二十年」

by 清水哲男

ゴミ置き場に白いblues。どこかで息絶え、誰かがここに運んできたのかと思った。舌を打って見たが反応はない。わざと足音を立てて近寄ったがぴくりとも動かない。

お前、死んじゃったのか? そう思いながらつま先で身体をつついてみた。ようやく顔を上げ、迷惑そうな顔でぼくを見上げた。

「大丈夫かい? しんどいのかい?」

そう呼びかけると、パタンとしっぽで地面を叩き、向きを変えまあるくなった。よく見れば、そこはちいさな橋の上で家並が途切れ、そこだけ日当りがよかったのだ。そうか、そういうことなんだね。でも元気でね。

bluesたちの平均寿命は半年程度だという。

こいつを見かけるようになって三年になるなあ。

でも、三年で長生きだと思われるのもさみしいな。

Blues……。

ぼくはこれだけ生きても、まだ十年は生きたいなと思っている。いや、二十年かな。

癌が見つかって手術をして、今日で丸二年だ。後八年で十年。後十二年で二十年。生きたいと思う。

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