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続・多賀山日記「僕みたいになっちゃうよ」

by 清水哲男

午前十時、事務所から駐車場に向かう路上での出来事だ。

とあるビルから四人の女性が出てきた。キャーキャーわけのわからぬことを叫び、足元はふらついている。どうやら激しく酔っているようだ。頑張って派手な化粧をし、大人びた服に身を包み、捻挫しそうな高いヒールを履いているが、どう見ても二十歳を過ぎているとは思えない。

わあわあ言いながらタクシーを止めようとするが、空車であるにも関わらず止まらない。タクシーだって乗せたくないという気持ちはわかる。

「てめぇ!」「ばあか!」

などと走り去るタクシーに罵声を浴びせる。

背後を通り過ぎようとした女性がその声に足を止め、視線を向けた。

「なに見てんだよぉ!」

と威嚇する。そしてキャキャキャと笑い声をあげる。

挙句にタクシーに向かってただでさえ短いスカートの裾を捲り上げた。

ぼくの横を通り過ぎたサラリーマン風の男性は「まるでチンピラだなあ」と眉を顰めた。別の男性は「どうせホストクラブかなんかで夜通し飲んでたんだろ。歓楽街はバカを拡大再生産する」と吐き捨てるように言った。

チンピラか・・・。ぼくは思った。そうやって面白おかしく生きていくのも人生かもしれないな。でも、いつまでもチンピラじゃ生きていけないだろ、と。

人はいつかは自分の力で生きていかなければならない。その力をつけるのは若いうちなんだ。

僕を見てごらん。若い頃から一生遊んで暮らしたいなどと思いながら生きてきた。その成れの果てだよ。早くそのことに気づかないと、ぼくみたいになっちゃうよ、と。

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